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女性の機会均等促進

関連情報

75年以上前に自身のビューティ製品を販売し始めた際、ミセス エスティ ローダーは単に事業を立ち上げただけではなく、当時の女性に許された社会進出の枠を押し広げました。ミセス エスティ ローダーは、その情熱、粘り強さ、功績を通じて、当社事業の基盤とともに、ジェンダーが人々の野心や大成功の可能性を決して制限してはならないという企業信念も築きました。

当社がこのビジョンを忘れたことは一度もなく、組織内や世界中のコミュニティでの女性支援に取り組み、エスティが示した模範を固く守っています。あらゆるレベルにおける包括的なリーダーシップ育成から、リーダーシップ機会など職場で与えられる機会の増加、経済的モビリティの向上、女性と少女のヘルスケアおよび教育へのアクセスの拡大を目的とした投資まで、私たちは世界中の女性の生活に影響力のある変化をもたらすことを目指しています。

ELC

「オープンドア」集中プログラムの参加者が集います。 

インクルーシブで支援的な職場環境の構築

私たちは、すべての人が繁栄できる文化の構築・維持を目指しています。女性、特に有色人種の女性は、未だにさまざまな障害に直面しています。このような障壁を克服するために、当社はメンターおよびスポンサーを得る機会や人的ネットワークを形成する機会へのアクセス拡大に加え、偏見や差別の回避を目的としたポリシーやトレーニングへのアクセス、家族への義務に対する主要責任を認識する福利厚生やプログラムへのアクセスなどを支援する取り組みを行っています。また、2030年までにジェンダー平等を達成し、すべての女性と少女のエンパワーメントを図るという国連(UN)「持続可能な開発目標5」に対する支援を表明しており、当目標に沿ったジェンダー平等に向けて、さまざまコミットメントを掲げています。 

私たちは、組織全体で女性の社会進出に取り組んでいます。

  • 従業員の約80%が女性である当社では、
  • バイスプレジデント以上の役職者の約59%、
  • 当社取締役会の半数近くを女性が占めています。
  • また、当社の研究員、エンジニア、テクノロジー専門家の60%以上が女性です。これは、STEM(科学、技術、エンジニアリング、数学)分野全体で女性が占める割合の世界平均値と比べて、2倍以上の数値となっています。*
  • また、当社のグローバルな研究開発イノベーションセンターでは、世界6か所にあるすべてのセンターの代表に女性が就任しています。
  • グローバルサプライチェーンを担当する従業員も半数以上が女性です。

*世界経済フォーラム グローバル ジェンダー ギャップ レポート、2023年6月

ELC

STEM分野におけるジェンダーギャップの解消

STEM(科学、技術、エンジニアリング、数学)分野のパイオニアであったミセス エスティ ローダーは、堅固な実験と最先端技術を組み合わせて、世界中の消費者が愛するビューティ製品を生み出したイノベーターでもありました。現在、製品の発売から消費者の手に届くまでの一連の流れにおいて、当社STEM分野に従事する従業員によってELCのイノベーションは推進されています。そして、このSTEM分野の従業員の大半を女性が占めています。STEM教育へのアクセスの拡大、テクノロジー重視のキャリアにおける女性へのメンターシップの強化、革新的な製品を生み出すインクルーシブな STEM分野の専門家グループの構築を図ることで、私たちは女性と少女に向けた上記投資を引き続き実施していきます。このような取り組みにより、当社のグローバルなブランド、事業地域、事業部署のすべてにおいて、STEM分野を女性がリードしています。

当社の従業員リソースグループ(ERG)は、連帯意識と帰属意識、コラボレーション、メンターシップ、キャリア開発のさらなる促進に努めています。「Women’s Leadership Network(WLN)」とそのサブグループである「ウィメン イン サプライチェーン」および「ウィメン イン テクノロジー」では、当社の女性が自身の目標を特定し、達成することを奨励しており、この活動への女性の参加を推進しています。WLNは、世界中に2,440人以上のメンバーを有しています。

女性のリーダーシップ向上を目指すELC独自のプログラム「オープンドア インテンシブ(Open Doors Intensive)」は、高いポテンシャルを有する当社の中間管理職の女性を包括するグループを育成するために設立されました。2020年の立ち上げ以来、より簡易化されたこの実体験型プログラムでは、15カ国以上の女性を対象に、社会での成功に不可欠なスキルを習得し、企業関係者やシニアリーダーとの比類なき連帯意識を築く支援を行なってまいりました。「オープンドア」の参加者の95%以上が、自身のスキルと能力に対する自信が増すとともに、フィードバックへの対応力が向上し、職場で障壁をより上手に乗り越えることができていると回答しています。 

「オープンドア」は、自己指導型でオンライン、かつインタラクティブなリーダーシップ開発エクスペリエンスを含むよう、「オープンドア コース コレクション(Open Doors Course Collection)」として大幅にアップデートされました。54カ国で3,000人以上の従業員がこれらのリソースにアクセスし、その恩恵を受けています。

ELC AG

エスティ ローダー グローバル チェンジメーカーのアマンダ ゴーマンが、ロサンゼルスで開催されるティーン ライティング ワークショップで「WRITING CHANGE」のパートナーである「WriteGirl」に参加しています。

企業の垣根を超えた影響力の推進

私たちは、世界中のコミュニティにおける女性の進歩の加速を目指しています。たとえば、エスティ ローダー カンパニーズ慈善事業財団(ELCCF)は、女性と少女の機会を推進し、その成果を改善するために重要な取り組みを行っている非営利団体に投資し、質の高い教育とリーダーシップ プログラムへのアクセス促進に努めています。また、公平性を仕事の中心に据えながら、公的機関および民間セクターのパートナーと協力して、共同活動を実施しています。

  • ELCCFがCo-Impactの「ジェンダー基金」に対して5 年間で1,500万ドルを資金提供するというコミットメントを通じて、私たちは、ジェンダー平等への進歩を加速させる取り組みを行っている南の発展途上国の草の根団体を、他の組織とともにサポートしています。「ジェンダー基金」は、あらゆるレベルで女性の権力、行為主体性、リーダーシップを高め、社会システムの変革を成し遂げることに焦点を当てています。2022年の立ち上げ以来、「ジェンダー基金」はアフリカ、アジア、中南米の主に女性が率いる地域団体に助成金を49回提供してきました。
  • 当社は、私たちが暮らし、働き、原材料を調達するコミュニティの支援に重点を置いています。当社のグローバルサプライチェーンの内外に位置する女性たちは、リソース、トレーニング、教育へのアクセス不足や、経済的自立の欠如に関連する多くの障壁に直面しています。BSRは、ELCCFの支援を受け、ガーナ北部のシア サプライチェーンで働く女性を支援するプログラムを実施しました。このプログラムにより、2拠点で1,000人以上の女性が資産管理計画、予算作成、資金管理に関するトレーニングを受けることができます。
  • 私たちは、平等、アクセス、社会の変化への道すじとして、識字率を向上させる取り組みに従事している草の根団体の活動を支援しています。「WRITING CHANGE」は、全米青年詩人賞受賞詩人であり、初のエスティ ローダー グローバルチェンジメーカーに就任したアマンダ ゴーマンによる、エスティ ローダー カンパニーズの3年間プログラムです。プログラムの初年度には「米国図書館協会」「ガールズ ライト ナウ(Girls Write Now)」「ミジジ(MIGIZI)」「 ウィー ニーズ ダイバース ブック(We Need Diverse Books)」「ライトガール(WriteGirl )」とパートナーシップを結び、国内の何千人もの若者へのワークショップ、メンタリング プログラム、本の寄贈を促進しました。

当社は、大学や学術機関と提携し、STEM分野の次世代のリーダーを育成しています。過去6年間、科学研究出版社、シュプリンガー・ネイチャーと提携し、科学研究における男女平等と、STEM活動における女性と少女への支援を推進する「Nature Awards for Inspiring Women in Science」を共同開催してきました。また、ペンシルバニア州の「バックス カウンティ コミュニティ カレッジ」やニューヨーク州サフォーク カウンティの「ファーミングデール州立大学」など、当社が事業を展開するコミュニティにある団体とも提携し、STEM分野の人材を育成するための教育イニシアチブに取り組んでいます。

当社では、その糾合力を活用し、STEM分野における対話の促進と女性の代表性の支援に努めています。2023年度には、国連財団および国連女性機関と共同で民間セクターの円卓会議を開催し、デジタル ジェンダー ギャップの解消方法について意見を交わしました。この会議では、技術リテラシーや技術へのアクセス、テクノロジー分野での雇用において世界中で女性が過小評価されている点が話し合われました。また、女性の地位委員会から持ち込まれた議題も継続して討論され、民間セクターがその影響力と専門知識を活かしてギャップを解消し、STEM分野に焦点を当てたキャリアにおいて女性の機会とメンターシップを増加させる方法について検討しました。

(STEM分野の)未来はインクルージョン

当社は、Estée Lauder グローバル ブランド アンバサダー、カーリー クロスが設立した非営利団体「コード ウィズ クロッシー(Kode With Klossy)」とEstée Lauderブランドとのパートナーシップを通じ、米国全土のオフィスでSTEM分野における次世代の人材をサポートしています。「コード ウィズ クロッシー」では、若い女性やジェンダー エクスパンシブの若者たちに学習体験と機会を提供し、テクノロジー主導の世界で情熱を追求するようインスピレーションを与えています

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